葬儀[お葬式]の費用と相場

葬儀費用

葬儀費用の内訳

 

葬儀費用の平均的な金額は?

「大切な家族を、温かく盛大に見送ってあげたい」「自分らしい、人生の卒業式を実現したい」。お葬式について具体的なプランを練っている方々は、さまざまな思いを抱いていらっしゃることでしょう。その願いを最大限の形でかなえるには、葬儀費用の内訳を把握し、賢く予算をやり繰りすることも大切です。

一般財団法人・日本消費者協会が3年ごとに実施している「葬儀についてのアンケート調査」の最新データ(2016年12月現在)によれば、葬儀費用の全国平均はおよそ189万円。もっとも多い価格帯は200~300万円と報告されています。また費用の内訳は「葬儀社への支払」が約122万円、「飲食接待費」が約34万円、「宗教関連費」が約45万円です。

葬儀で失敗しないために。葬儀屋さんの選び方

こういった数字はひとつの目安にはなりますが、お葬式の費用は規模、内容、地域によって異なります。平均額にとらわれることなく、故人の遺志、ご遺族の想いを大切にした葬儀を、納得できる費用で実現することを心掛けて葬儀屋さんを選びましょう。

それには葬儀費用の内訳をしっかり理解しておくことが必要です。費用がどのように使用されるか明細を把握すれば、その中の何を重視するか、何を節約するかを決めることができ、満足のいくお葬式を実現することにつながります。

たとえば、「祭壇を立派なものにしたい」「会葬してくださった方へのお料理に費用をかけたい」「故人らしいお葬式にするため凝った演出をしたい」など、重視したいポイントはそれぞれ異なります。同様に、あまり重視する必要を感じないポイントも異なります。その采配をきちんと行えるよう、内訳を整理しておきましょう。

葬儀費用の内訳

ここでは葬儀の流れに沿って、どのような費用が発生するか確認します。大きく、①葬儀前にかかる費用、②通夜・葬儀にかかる費用、③火葬にかかる費用、④その他、という4つに分けられます。

細かな費用項目は葬儀社によって多少の違いがありますが、一例を以下に記しますので概要を把握しておきましょう。なお金額は、公開されているケースや、実際に行われた葬儀に関して明細に記載された額を参考にしています。請求書に個別に記載されることがほとんどない項目に関しては数字を挙げていません。

また、こちらに示した例より小額で実施できる可能性もありますし、サービス内容や商品を高品質なものにすれば、費用は何倍にもなる可能性があります。さらに、こちらから価格をリクエストしても葬儀社によって「その金額の棺は扱っていない」ということもありえます。おおよその目安として参考にするにとどめてください。

1.葬儀前にかかる費用

費用項目 内容 参考金額
搬送費 遺体を病院からご自宅など安置する場所まで搬送するための、寝台車両費・運行費。車種、距離によって費用は異なります 20,000円~
枕飾り一式 安置した遺体の枕頭に据える祭壇費用 10,000円~
遺体保存処理費 遺体の傷みを抑えるために使用するドライアイス、防腐剤、防臭剤など。火葬まで何日かかるかによって費用は変動します 10,000円~(1日につき)
遺体安置料 遺体をご自宅でなく葬儀社や斎場に安置する場合にかかります 数千~20,000円(1日につき)
素材や大きさ、装飾によって料金が異なります。 3~2,000,000円(多くは5~200,000円)
湯灌(ゆかん) 入浴洗浄、もしくは清拭して身体を清め、髪や死化粧を整え、着替えをします。衛生上の処置であると同時に宗教的儀式でもあり、必ず行うものではありません 清拭では50,000円入浴では100,000円

 

納棺 納棺支度として遺体に着せる仏衣と棺用の布団代などを中心とした費用。特別な納棺師を呼び儀式を行う場合は別料金 納棺師による「納棺の儀」費用は100,000円ほど、あるいは葬儀費用の2~4%
手続き代行料 役所と火葬場の手続き代行料 ――

病院で亡くなった場合は、院内で「エンゼルケア」が行われるため、上記の「湯灌」を行わないケースが多くみられます。エンゼルケアは遺体を清拭し、体液などの流出を防ぐ処置をし、髪やメイクを整え、着替えをするものです。状況により、これらのお世話を葬儀社にお願いする場合は別に費用がかかります。

また火葬や葬儀まで日数があく場合や、事故に合われるなどして遺体に損傷がある場合、別料金でエンバーミングを行うことがあります。エンバーミングは外科的、あるいは化学薬品による処置を行って遺体の傷を修復し、腐敗が進むのを抑える専門的な保存技術です。実施する場合は、葬儀社が技術者であるエンバーマ―に依頼します。こちらも希望があれば別料金で行われます。

2.通夜・葬儀にかかる費用

費用項目 内容 参考金額
式場使用料 通夜、葬儀の式場と控室の使用料 公営で50,000円~民営で200,000円~
祭壇 白木祭壇、花祭壇など種類や規模、内容によって費用に大きな幅があります。運搬・設営費用を含みます 150,000円~
祭壇まわり飾り祭壇供物料 水引幕、供花、供物(仏菓子・果物・ロウソク・線香など)、焼香具(御香、焼香台、焼香花、燭台)、仏具の費用 (供花は1基15,000円~、仏具は20,000円~)
位牌 戒名や霊位を白木に墨書した四十九日まで用いる位牌と、本位牌があります 白木は1,000円~本位牌は5,000円~
遺影 写真の引き伸ばし・修正処理・額・リボン代金。花額にする場合は追加費用が必要 一般額25,000円~花額50,000円~
備品一式 受付け用の芳名録、返礼品の引き換えカード、預かり貴重品の受取りカードなど ――
設備費 会場看板、入り口看板(門灯造園)、屋外テント設営、ストーブや冷風扇、家紋提灯等の装飾など、希望や必要に応じて設営 ――
特殊演出費 映像の上映、音楽の演奏など特別な音響・映像・照明を必要とする場合にかかります ――
車両費 葬儀の後、火葬場へ移動する際の、霊柩車・ハイヤー・マイクロバスなど。霊柩車は車種によって費用が異なります 霊柩車25,000円~、マイクロバス40,000円~
通夜振る舞い お清めの料理代(大皿料理など)、飲み物代。予想会葬者数の7割分を用意します 一人2~3,000円×人数分+飲み物代
精進落とし 葬儀・告別式用の料理代。人数分のお弁当など料理と飲み物を用意します 1人3~4,000円×人数分+飲み物代
会葬礼状 通夜、葬儀の式場と控室の使用料 100通で8,000円~
会葬返礼品 お茶やハンカチなど。香典返しとは別 1人分800円~

多くの会葬者が見込まれる場合は、上記の「設備費」「通夜振る舞い」「精進落とし」に費用がかかる可能性があります。会場の外にテントを設営したり、季節によって寒さや暑さをやわらげるため、屋外ストーブや扇風機、冷風扇などを設置したりする必要が生じるかもしれません。また看板、案内板の数や、スタッフの人数を多くするため費用がかさむこともあります。

3.火葬にかかる費用

費用項目 内容 参考金額
火葬料 公営と民営で費用が大きく異なります 公営で10,000円~民営で50,000円~
骨壺一式 骨壺、白木の箱、白布の一式費用。 10,000円~
待合室使用料 火葬が終わるまでの2時間ほどを過ごす部屋の室料。公営では無料の場合も 1人3~4,000円×人数分+飲み物代など

上記に挙げた火葬にかかる費用はすべて火葬場に支払うものですが、現場では葬儀社が立て替えて支払います。金額は公営火葬場と民営火葬場によって開きがあります。金額を抑えるため公営を希望する場合、必ずしもかなえられるとは限りませんので注意が必要です。火葬場は近年、予約が混みあっているため、1週間先まであいていないということもあります。

骨壺一式は火葬場が用意しますが、公営では火葬料に代金が含まれていることもあります。民営でよくみられるのは「持ち込み不可」で、いくつかの種類の中から希望に合わせて選択するパターンです。素材や大きさによって値段が異なります。

また以下に記しますが、民営火葬場を利用する場合、担当係員などに心づけをお渡しする慣例もありますので考慮されるとよいかもしれません。

4.その他の費用

費用項目 内容 参考金額
お布施・お車代 宗教者にお渡しします。地域、寺院、寺院とのおつき合いの深さなどで金額は異なります。読経料と戒名料の合計額の全国平均は53万円です お布施は読経料のみで5~150,000円、お車代は5,000~10,000円、御膳料は5,000~10,000円
心づけ ハイヤーやバスの運転手、民営火葬場の係員、お手伝いの方にお渡しします 2~3,000円×人数分
香典返し 四九日の法要が済んでから行います 香典額の「半返し」

僧侶など宗教者へお渡しする費用は、仏式の場合であれば「お布施」と「お車代」です。もし宴席に出席しない場合は、「御膳料」も用意します。

お布施の額は、僧侶の位階や寺院の格式、寺院とのおつき合いの深さ、地域によって違いが生じます。お布施には「読経料」と「戒名料」が含まれ、読経料については、導師だけでなく脇導師をともなっている場合は導師の3割ほどの金額を用意します。戒名料については寺院の関係者などに相場をお尋ねになったほうがよいでしょう。

葬儀費用で失敗しないためのポイント

ここではお葬式を行うにあたってかかる費用を項目ごとにご案内しましたが、実際に葬儀社から渡される見積書や広告を正しく理解するには、いくつか見方にポイントがあります。

たとえばお葬式の料金体系は葬儀社によって異なるため、「○○費一式」などのセット料金になっている場合、何が含まれ、何が含まれないかを確認しておかないと、後で追加費用が膨れ上がることもあります。

後悔することのないよう、「葬儀の見積書の見方」を参考にしていただきながら、葬儀社とよくご相談されるようお勧めします。

お葬式見積もり書の見方

葬儀の見積書の見方がわからないために起こる失敗例とは?

お葬式の費用に関して、後になって聞かれる不満や後悔には、さまざまな声があります。

「葬儀・火葬まで日にちがかかり、遺体安置料やドライアイスなど保存処置の料金がかさんでしまった。1日ごとに費用が加算されるとは知らなかった」

「棺に入れる布団代など、必要なものなのに見積料金に含まれていなかったものがあり、最終的に費用が大きくなった」

「葬祭場と火葬場が隣接しているのに最高級の霊柩車を頼んでしまい、100メートル足らずの搬送のために大きなお金を使ってしまった」

「スケジュールの都合で民営火葬場にしたところ、見積書で挙げられていた一式料金は公営火葬場のものだと後から聞かされ、火葬費用が倍になった」

「家族葬なのに、たくさんの案内板やストーブ、簡易受付などの設備やサービスをつけてしまい、後で無駄だとわかった」

「費用を抑えたお葬式にしたが、実際に棺を見てもっと立派なものにしてあげればよかったと悔やまれた。無駄な出費を削ってかけるべきところにお金をかければよかった」

多様な問題が浮かび上がりますが、こういった声の多くは以下のパターンに集約されます。

  • ◇無駄なことに費用を費やしてしまった
  • ◇思わぬ追加費用がかかってしまった
  • ◇お金をかける部分と削る部分の判断を誤ってしまった

このような失敗は、前項「葬儀費用の内訳」でお伝えした内容を把握しておけば防げることが多いのですが、ほかにも大切なポイントがあります。

葬儀費用で失敗しないための「見積り段階の注意点」

葬儀の見積書をもらって内容を検討する際、気をつけるべき注意点を挙げておきましょう。

  • ◇あらかじめ費用全体の構成要素を知っておくこと
  • ◇お葬式の一般的な費用項目を知っておくこと
  • ◇見積書の「総額」のみを見て判断しないこと
  • ◇「○○費用一式」とある部分については、内訳を確認すること
  • ◇料金が変動する可能性のある項目を確認すること

これらをしっかり心得ておけば、先にご紹介したような失敗を防ぐことができます。これらのうち、費用全体の構成要素については少し説明が必要ですので以下にご案内しましょう。

葬儀費用の構成 ~お葬式にかかる3つの費用とは?~

葬儀費用は、一般に以下の3つに分類されます。

①葬儀一式費用(葬儀社に支払うもの)

②寺院費用(寺院に支払うもの)

③飲食接待費用など変動費用(葬儀社が立て替えて、各業者に支払うもの)

これら3つを合計した金額が、あなたが支払う「葬儀費用」の総額です。ところが葬儀社が提出する見積書には、通常、「①葬儀一式費用」のみが書かれています。つまり、「見積書の総額」=「葬儀費用の総額」ではありません。ほかに②と③が必要です。

これを誤解して、予算ギリギリまでの金額を「①葬儀一式費用」につぎ込んでしまえば当然、総額では予算オーバーになります。葬儀社からは「ほかに寺院費用と通夜振る舞いや精進落としの飲食費などがかかります」ときちんと説明がありますが、見積書に記されていないため、どうしても勘違いしやすいポイントです。

また葬儀社の広告において、「○○葬プラン」「葬儀一式のセット価格」などの文言で価格表示が行われていますが、こういった場合の価格には、やはり「②寺院費用」が含まれていません。「③飲食接待費用など変動費用」についても、最小限の費用が計上されているか、まったく計上されていないのが一般的なので、よく確認することが必要です。

葬儀費用の、見積書の注意点

見積書を前にして、葬儀社の担当者と打ち合わせをする際、以下のことを率直に尋ねチェックするとよいでしょう。

1.「葬儀費用一式」の内訳をしっかり確認する

「一式」とまとめられた費用に、何が含まれているのか、何が含まれていないのかを把握します。その上で、含まれているそれぞれの項目について、内容を確認します。つまり「祭壇はどのような種類・大きさのものを想定しているのか」「祭壇まわりの装飾はどうか」「棺はどうか」などを尋ね、それぞれ希望のものに決定し、正確な費用を出していきます。また、かならず「要らないものがないか」をチェックし、同時に「これ以外にかかる可能性がある費用は何か」を尋ねておきましょう。

2.斎場・火葬場はどこに設定しているかを確認する

葬儀社によって、つながりの深い斎場がありますので、どこの斎場にする計画なのかを確認します。また斎場も火葬場も、公営であるか民営であるかによって費用は大きく変わりますので、見積書ではどちらに想定した費用が計上されているのかを見ます。もうひとつ、斎場と火葬場が決まると、移動距離が決まりますので「遺体の搬送料」が明確になります。その決定額を見積書に反映させます。

3.安置日数から正確な費用を出し反映させる

斎場と火葬場を予約し日程が確定したら、遺体の安置日数が決定します。待ち日数が長ければそれだけドライアイス代がかかりますし、場合によっては特別の防腐処理が必要になるケースもあります。その費用を確認します。

4.設備費用の内容を確認し過不足がないかチェックする

葬儀費用一式の中に含まれているケースも多い項目ですが、内訳を尋ね、葬儀の種類、規模などに見合ったものかどうかを検討します。削れる部分が見つかれば節約し、ほかに費用をかけるなど工夫することができますし、会葬者をより丁寧にお迎えするために用意しておきたいものがあれば追加します。

5.演出費について確認する

式で故人ゆかりの品や作品などを展示したり、映像を上映したり、音楽を流す、演奏するなどの演出を希望する場合、費用が追加されます。見積書に記載されていない項目ですので、希望を細かく伝えた上で料金を確認します。

6.飲食接待費

追加請求になるケースが多い項目です。これにはお通夜の「通夜振る舞い」の料理代、葬儀後の「精進落とし」の料理代、そして両方の飲み物代がかかります。通夜振る舞いは予測会葬者数の七割、たとえば会葬者50名が想定される場合は35名分の料理を用意し、精進落としについては出席する親族・宗教者・葬儀担当者等の人数分を用意します。飲み物は実際に飲んだ分を実費で清算することになります。これらの見積り人数が適切か、料理の内容が適切か、給仕スタッフの人件費が含まれているかなどを確認します。

戒名やお布施の相場

そもそもお布施とは?

僧侶にお渡しする謝礼金を一般にお布施と呼んでいますが、仏式の葬儀を執り行うとき、多くの方がお悩みになるのが、このお布施の金額です。そもそもお布施は読経など、僧侶にしていただいたことへの対価ではなく、「ご本尊へのお供え」という位置づけのものです。そのため葬儀のお布施について、明確な金額で請求されることはありません。

一般財団法人・日本消費者協会による「第10回葬儀についてのアンケート調査」では、これら宗教関連費、総額の平均は45万円と報告されています。ただし実際には、僧侶の位階や寺院の格式、寺院とのおつき合いの深さ、地域によって支払う金額に大きな違いがあります。ここではお布施の内訳とともに、それぞれのおおよその相場をご紹介していきましょう。

葬儀にかかる寺院費用は「読経料」「戒名料」「お車代」「御膳料」

お葬式の際、一般的にお布施として支払うのは、「読経料」と「戒名料」、ほかに「お車代」や「御膳料」をケースによって検討します。

お布施の内容区分は厳密なものではなく、「読経料」と「戒名料」を合わせたものをお布施と呼ぶ場合もありますし、「読経料」をお布施とし、別に「戒名料」を用意する場合もあります。「お車代」は僧侶の交通費で、もうひとつの「御膳料」は、葬儀後の精進落としの宴席に、僧侶が同席しない場合にお包みするものです。

「読経料」の相場

読経料は、お通夜と葬儀・告別式、初七日法要までをお願いするケースが一般的です。通夜から初七日までの読経料として目安とされる金額は10~30万円ですが、直葬などの場合は、読経料5万円などの例もあります。

ちなみにこの読経料の目安は、僧侶が1名の場合のものです。導師だけでなく脇導師をともなっている場合は、導師の3~5割ほどの金額を増額します。また通常は読経料と戒名料を併せてお布施としてお渡ししますが、戒名料は格によって金額が大きく異なりますので、以下の戒名料の格によるお布施総額の相場を目安にされるとよいでしょう。

「戒名料」の仕組みとお布施総額の相場

戒名とは「仏の弟子」となったとき、その証として新たにもらい受ける名前です。ですから本来は生前に与えられるものですが、一般にはお通夜の前に、菩提寺の僧侶につけていただくことになります。宗派によって呼び名が異なり、浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」と呼ばれます。

戒名料は格によりお渡しする金額が異なります。以下に参考額を記しますが、前述したように菩提寺の宗派、寺格、地域、お寺とのおつきあいの深さによって変わりますのでご留意ください。

戒名 お布施(読経料+戒名料)の参考額
△△△信士

△△△信女

30~50万円
△△△居士

△△△大姉

50~80万円
○○院△△△信士

○○院△△△信女

70万円~
○○院△△△居士

○○院△△△大姉

100万円~
○○院殿△△△大居士

○○院殿△△△清大姉

200~500万円

金額について迷われたときは、葬儀社から寺院を紹介してもらった場合は葬儀社に、また菩提寺がある場合は檀家の取りまとめ役の方などに個別にご相談されるとよいでしょう。

寺院に直接お尋ねになるのもひとつの方法ですが、金額をお尋ねした場合、寺院側は「これは対価ではなくご本尊に差し上げるものですから決まった金額はありません」「お気持ちのままに」と答えるしかありません。そこで「檀家の皆さんはどのくらい包まれていますか?」などの言い方でお尋ねするのが、お答えをいただく上手な方法です。

「お車代」の相場

「お車代」は、葬儀を寺院の本堂で行わず外部の会場で行うため、僧侶に出向いていただく場合にお渡しします。相場の金額は、だいたい5,000~10,000円とされていますが、もちろん実際にかかる費用を考慮して、必要な場合はきちんと増額します。

また、もし遠方から僧侶をお呼びする場合は、宿泊料を含めます。宿泊先の手配についても、葬儀社に相談し、僧侶ご本人に意向をうかがうなどしながら整えてもらいます。

「御膳料」の相場

「御膳料」は、葬儀を終えた後に行う「精進落とし」の宴席に、僧侶が同席されない場合にお包みするものです。菩提寺の僧侶であれば基本的に同席されますが、葬儀社を通じて普段からのおつき合いがない僧侶に依頼したケースでは、宴席に欠席されることもあります。

金額の相場は、おおよそ5,000~10,000円とされています。葬儀社の担当者とご相談の上お決めになるとよいでしょう。

葬儀費用における注意点

見積書を手にしたとき、冷静な判断力を失っていることもある

事前相談、生前予約などを除けば、お葬式の見積書を目にするのは大切な方を亡くした直後ということになります。たとえご本人はお気持ちをしっかり保っているつもりでも、精神的・肉体的に大変な負担がかかっているため、落ち着いてものを考えることがなかなか難しい状態です。

そのようなときにお葬式の見積もりを見ても、もともと馴染みのある内容ではないため、正確なご判断ができないこともあるでしょう。ミスを生じることが多くなりますし、「おまかせしてしまおう」など、普段のお買い物ではあれこれと慎重に検討する方でも、流れにまかせてなんとなく決めてしまうことが多いものです。こういった傾向を、しっかり自覚しておきましょう。

見積もりを見ても、考える時間があまりないためミスが生じやすい

葬儀は大きなイベントであるにもかかわらず、準備のための充分な時間がありません。そのため、「丁寧な打ち合わせをして、施主がどのようなお葬式にするか検討する」→「施主が決定した細かい要望を葬儀社に伝える」→「葬儀社が持ち帰り、葬祭場や火葬場、各業者を手配して見積書を作成する」→「見積書を挟んで施主と葬儀社が内容を確認し合い契約する」という手順をひとつひとつ丁寧に踏むケースはあまりみられません。

大抵は問い合わせや申し込みの電話で「一般葬を行う」「家族葬にしたい」などお葬式の種類と、日程の希望、おおよその会葬者の人数などを葬儀社に伝え、それに基づいて葬儀社が作成した見積書を持参して打ち合わせをし、その場で詳細を決定していきます。

説明を受ける機会、質問をする機会、検討する時間が乏しいため、当然ミスが生じやすくなりますので、チェックリストを利用するなど工夫が必要です。

見積書はお葬式の「企画書」と心得てしっかり内容をイメージする

葬儀の見積書は、読み方のコツさえつかんでおけば、葬儀社がどのようなお葬式を提案しているのか、具体的な内容を理解することができます。後に思わぬ追加費用を請求されたり、希望と異なるお葬式になってしまうことを防げます。

覚えておきたいのは、見積書はただの数字の羅列ではないということです。葬儀社が「どのようなお葬式にするか」を、お金のかけ方を通じて表現したものです。それを読み取り、ご自身の希望とマッチしているかチェックするための企画書のようなものです。その点をきちんと理解しておけば、しっかり葬儀の様子をイメージしながら思い通りの式を実現することができます。

「良いお葬式」実現の鍵は普段からの準備にある

突然、家族の死に直面し、心が動揺して頭が働かない。

急いでお葬式の詳細を決めなければならず、慌ててしまう。

お葬式についてよくわからないので、詳細の決定を任せてしまう――。

こうしてお葬式が残念なものにならないよう、あらかじめの準備が大切です。「お葬式の費用の仕組みについて理解しておく」「費用の内訳を知っておく」「見積書の見方やチェックポイントを押さえておく」など、有効な予防策を講じることは可能です。

しかしもっとも安心なのは、元気なうちに自分の葬儀について、葬儀社に相談しておくことです。現在、「事前相談」「生前予約」を行っている葬儀社は年々、増加しています。ご自身が望む旅立ちを果たすため、あるいは遺していくご家族の負担を軽くするため、信頼できる葬儀社を探し、ご自身のお葬式について具体的な準備をしておくことをお勧めします。

葬儀屋の選び方

「良いお葬式」の実現には、まず「良い葬儀屋さん」選びを

たとえどんなに良いお葬式を計画しても、依頼した葬儀社に問題があれば、それを実現できないばかりでなく、ミスやトラブルさえ起きかねません。故人を深く思い、会葬してくださる方々にも心を配ったお葬式を予算の中で最大限の形にする。そのためには、誠実に力を注いでくれる良い葬儀屋さんを見つけることが重要です。

良い葬儀屋さんは、「旅立たれた方のお気持ち」「ご遺族の意向」「故人のお立場などの事情」「ご予算などの条件」を反映しつつ、心のこもったお葬式を実現します。そのようなお葬式は故人の魂を慰め、ご遺族や参列者の方々の心を慰めます。では、良い葬儀屋さんはどのように探したら見つけることができるでしょう?

葬儀社と出合う3つのルート

お葬式の施主となるわたしたちが葬儀社と出合うには、主に3つのルートが存在します。

  • ◇病院(あるいは警察署など)から葬儀社を紹介してもらう
  • ◇地元で店舗を持ち営業している葬儀社を探す
  • ◇インターネットを通じて葬儀社を探す

それぞれの特徴やメリット、デメリットを整理しておきましょう。

病院から紹介される葬儀社の特徴

病院で亡くなると、すぐに遺体にエンゼルケアと呼ばれる死後の処置が行われ、数時間のうちに搬出しなくてはなりません。遺族は病院から、お葬式を依頼する葬儀社の心当たりがあるかどうか尋ねられ、もしない場合は紹介することもできるという話をされます。

このようなパターンで病院から紹介される葬儀社は、それなりに実績があると考えてよいでしょう。病院は紹介する葬儀社を入札によって決めたり、地元で長年営業している信頼できる葬儀社を選んだりしています。ただし、お葬式の費用が高い傾向があるのも事実です。葬儀社は費用を投入してその立場を得ているため、どうしても価格が高めになります。安心してまかせられる点はメリットですが、費用をできるだけ軽くしたい場合は最善の選択とはいえないでしょう。

地元密着型の葬儀社の特徴

地元に店舗を構えて営業している葬儀社は、近年、数が減少傾向にあります。ただし長年、営業を続けている葬儀社は、よい葬儀社だから生き残ることができているともいえます。たとえ小規模の葬儀社であっても、信頼できる仕事を行う葬儀社かもしれません。地元の人々に評判などを聞いて確認されるとよいでしょう。率直な評価や具体的なエピソードは、よい判断材料になります。とくに地元の会葬者が多く見込まれる葬儀の場合、検討する価値があります。

こういった葬儀社は、地元の状況に詳しく、葬儀にかかわる多様な業者とのつきあいも深く、安心してまかせられる点がメリットです。その一方で、通常のお葬式の施行には慣れていても、特別な演出などユニークな葬儀については苦手なケースが目立ちます。また取引業者が長年固定されているため、扱っている商品やサービスが限定され、融通がききにくい傾向もみられます。

地元密着型の葬儀社は、駅や商店街の看板広告、市区町村の広報などでよく目にされると思いますが、役場や町内会に問い合わせると教えてもらうことができます。

インターネットで出合う葬儀社の特徴

現在ではほとんどの葬儀社がインターネット上で広告活動を行っています。インターネットを利用した葬儀社探しのメリットは、情報量の多さです。検索システムを利用して、ご自分の地域で営業している葬儀社を数えきれないほど見つけることができますし、費用の目安や、どのタイプの葬儀を得意にしているかが記載されているため、希望に合う葬儀社を見つけやすいといえます。

ただし、実際に地元で店舗を構えている葬儀社と違い、実体がわからない点を不安に感じる方がいるかもしれません。その場合は、「創業年数」「施行例の写真」「費用例」などが豊富なところを選び、実際に電話で問い合わせをして対応をみるのもひとつの方法です。

またインターネットでは、全国展開をするなど広域で営業している大手の葬儀社が目につきます。大手の葬儀社は、比較的費用が低価格な傾向があります。ただし料金表示には、ごく基本的な料金しか含まれていませんので、書かれている金額だけで判断することは控えておきましょう。

またインターネット上には、葬儀社を紹介するサイトが多数、存在します。しかし必ずしも客観的な情報であるとは言い切れませんので、サイトの運営団体がどこなのかを確認し、情報の公正さを判断してから参考にされることをお勧めします。

「良い葬儀社」を見つけるチェックポイント

良い葬儀社の選び方には、いくつか注意点があります。以下にまとめましたので、葬儀社にコンタクトをとる際にはご参考になさってください。

☑行いたい葬儀のタイプに合った葬儀社を選ぶ

葬儀社にはそれぞれ個性があり、得意としているお葬式の種類が異なります。そのため希望するお葬式のスタイルがある場合は、その点を踏まえてお探しになるとよいでしょう。たとえば「小さい会社だが社葬を行いたい」という場合は、社葬の実績が豊富な葬儀社にお願いするべきですし、「費用を抑えた小規模のお葬式にしたい」という場合は、直葬や家族葬の案内を前面に出している葬儀社を選ぶのが一番です。

☑問い合わせの電話への対応が丁寧で親身な葬儀社を選ぶ

これまでにおつき合いのない葬儀社にアプローチするときは、メールでなく電話をかけるようにします。もちろん電話の対応だけで葬儀社のよしあしを正確に判断することはできませんが、直接に話をすれば、電話に出てくれた方の人柄や葬儀社の雰囲気など、わかることは多いものです。少なくとも電話での問い合わせに雑な受け答えをしたり、質問に答えてくれず正式な打ち合わせや申し込む手続きを急かす様子があったら、やめておいたほうが賢明です。

☑こちらの要望を細かく聞いてくれる葬儀社を選ぶ

中には「面倒な葬儀はしたくない」「手早く契約を決めてしまいたい」とばかりに、葬儀社が特定のプランを強く推してくることがあります。そうではなく、こちらの要望をこと細かに聞いて理解してくれる葬儀社を選びましょう。実際には「どのようなお葬式にしたらよいかわからない」という施主の方も多いでしょうが、そのような場合も良心的な葬儀社であれば、具体的な選択肢を挙げて検討作業をサポートしてくれます。

☑契約を急かしたり、葬儀社の提案を強引に勧めたりしない葬儀社を選ぶ

葬儀社側にしてみれば、早く契約を決めたいのは自然なことです。また、葬儀について右も左もわからない施主に細かいことを一つひとつ説明するのは大変手のかかる作業です。しかし良い葬儀社であれば辛抱強く丁寧に説明する段階を踏み、きちんとお話を進めてくれます。こちらが充分な理解をしていないまま契約を急かされた場合は気をつけたほうがよいでしょう。

☑施行サンプルとして写真などを見せてくれる葬儀社を選ぶ

誇りと自信を持って仕事をしている葬儀社は、過去の施行例を進んで見せてくれます。過去の事例はその葬儀社の実力を形にした、もっともわかりやすい成果だからです。「実際の雰囲気を知りたいので、過去のケースの写真などを見せてもらえますか?」と尋ねてみましょう。

☑見積書を詳しく説明してくれる葬儀社を選ぶ

葬儀費用の見積書は、誤解しやすい点をたくさん含んでいます。そのため良心的な葬儀社であれば、見積書を手渡し、総額を示すだけですませることはしません。内訳や、費用が増えそうなポイント、施主が自由にグレードを選べる項目などについて説明し、こちらの意思確認をしてくれます。そのような姿勢がみえない葬儀社はおやめになったほうがよいでしょう。

☑葬祭ディレクターの有無、JECIAの評価、国際規格の取得の有無を参考にする

必ずしも必要というわけではありませんが、これらは葬儀社がサービスの品質を高め、それを広く告知しようという姿勢の現れともいえます。葬祭ディレクターとは、厚生労働省が認定した民間資格で「全日本葬祭業協同組合連合会」と「全日本冠婚葬祭互助協会」が主催しています。葬祭業界で働く上で必要な知識と技術を習得していると示す資格ですので、ある程度の目安になるでしょう。またJECIAは「日本儀礼文化調査協会」が葬儀社を評価し、格付けしています。国際規格ISO9001は「日本品質保証機構」が審査するサービスの品質保証です。こういった評価を参考にするのも有効です。