葬儀[お葬式]の平均的内訳

葬儀費用の内訳

 

葬儀費用の平均的な金額は?

「大切な家族を、温かく盛大に見送ってあげたい」「自分らしい、人生の卒業式を実現したい」。お葬式について具体的なプランを練っている方々は、さまざまな思いを抱いていらっしゃることでしょう。その願いを最大限の形でかなえるには、葬儀費用の内訳を把握し、賢く予算をやり繰りすることも大切です。

一般財団法人・日本消費者協会が3年ごとに実施している「葬儀についてのアンケート調査」の最新データ(2016年12月現在)によれば、葬儀費用の全国平均はおよそ189万円。もっとも多い価格帯は200~300万円と報告されています。また費用の内訳は「葬儀社への支払」が約122万円、「飲食接待費」が約34万円、「宗教関連費」が約45万円です。

葬儀で失敗しないために。葬儀屋さんの選び方

こういった数字はひとつの目安にはなりますが、お葬式の費用は規模、内容、地域によって異なります。平均額にとらわれることなく、故人の遺志、ご遺族の想いを大切にした葬儀を、納得できる費用で実現することを心掛けて葬儀屋さんを選びましょう。

それには葬儀費用の内訳をしっかり理解しておくことが必要です。費用がどのように使用されるか明細を把握すれば、その中の何を重視するか、何を節約するかを決めることができ、満足のいくお葬式を実現することにつながります。

たとえば、「祭壇を立派なものにしたい」「会葬してくださった方へのお料理に費用をかけたい」「故人らしいお葬式にするため凝った演出をしたい」など、重視したいポイントはそれぞれ異なります。同様に、あまり重視する必要を感じないポイントも異なります。その采配をきちんと行えるよう、内訳を整理しておきましょう。

葬儀費用の内訳

ここでは葬儀の流れに沿って、どのような費用が発生するか確認します。大きく、①葬儀前にかかる費用、②通夜・葬儀にかかる費用、③火葬にかかる費用、④その他、という4つに分けられます。

細かな費用項目は葬儀社によって多少の違いがありますが、一例を以下に記しますので概要を把握しておきましょう。なお金額は、公開されているケースや、実際に行われた葬儀に関して明細に記載された額を参考にしています。請求書に個別に記載されることがほとんどない項目に関しては数字を挙げていません。

また、こちらに示した例より小額で実施できる可能性もありますし、サービス内容や商品を高品質なものにすれば、費用は何倍にもなる可能性があります。さらに、こちらから価格をリクエストしても葬儀社によって「その金額の棺は扱っていない」ということもありえます。おおよその目安として参考にするにとどめてください。

1.葬儀前にかかる費用

費用項目 内容 参考金額
搬送費 遺体を病院からご自宅など安置する場所まで搬送するための、寝台車両費・運行費。車種、距離によって費用は異なります 20,000円~
枕飾り一式 安置した遺体の枕頭に据える祭壇費用 10,000円~
遺体保存処理費 遺体の傷みを抑えるために使用するドライアイス、防腐剤、防臭剤など。火葬まで何日かかるかによって費用は変動します 10,000円~(1日につき)
遺体安置料 遺体をご自宅でなく葬儀社や斎場に安置する場合にかかります 数千~20,000円(1日につき)
素材や大きさ、装飾によって料金が異なります。 3~2,000,000円(多くは5~200,000円)
湯灌(ゆかん) 入浴洗浄、もしくは清拭して身体を清め、髪や死化粧を整え、着替えをします。衛生上の処置であると同時に宗教的儀式でもあり、必ず行うものではありません 清拭では50,000円入浴では100,000円

 

納棺 納棺支度として遺体に着せる仏衣と棺用の布団代などを中心とした費用。特別な納棺師を呼び儀式を行う場合は別料金 納棺師による「納棺の儀」費用は100,000円ほど、あるいは葬儀費用の2~4%
手続き代行料 役所と火葬場の手続き代行料 ――

病院で亡くなった場合は、院内で「エンゼルケア」が行われるため、上記の「湯灌」を行わないケースが多くみられます。エンゼルケアは遺体を清拭し、体液などの流出を防ぐ処置をし、髪やメイクを整え、着替えをするものです。状況により、これらのお世話を葬儀社にお願いする場合は別に費用がかかります。

また火葬や葬儀まで日数があく場合や、事故に合われるなどして遺体に損傷がある場合、別料金でエンバーミングを行うことがあります。エンバーミングは外科的、あるいは化学薬品による処置を行って遺体の傷を修復し、腐敗が進むのを抑える専門的な保存技術です。実施する場合は、葬儀社が技術者であるエンバーマ―に依頼します。こちらも希望があれば別料金で行われます。

2.通夜・葬儀にかかる費用

費用項目 内容 参考金額
式場使用料 通夜、葬儀の式場と控室の使用料 公営で50,000円~民営で200,000円~
祭壇 白木祭壇、花祭壇など種類や規模、内容によって費用に大きな幅があります。運搬・設営費用を含みます 150,000円~
祭壇まわり飾り祭壇供物料 水引幕、供花、供物(仏菓子・果物・ロウソク・線香など)、焼香具(御香、焼香台、焼香花、燭台)、仏具の費用 (供花は1基15,000円~、仏具は20,000円~)
位牌 戒名や霊位を白木に墨書した四十九日まで用いる位牌と、本位牌があります 白木は1,000円~本位牌は5,000円~
遺影 写真の引き伸ばし・修正処理・額・リボン代金。花額にする場合は追加費用が必要 一般額25,000円~花額50,000円~
備品一式 受付け用の芳名録、返礼品の引き換えカード、預かり貴重品の受取りカードなど ――
設備費 会場看板、入り口看板(門灯造園)、屋外テント設営、ストーブや冷風扇、家紋提灯等の装飾など、希望や必要に応じて設営 ――
特殊演出費 映像の上映、音楽の演奏など特別な音響・映像・照明を必要とする場合にかかります ――
車両費 葬儀の後、火葬場へ移動する際の、霊柩車・ハイヤー・マイクロバスなど。霊柩車は車種によって費用が異なります 霊柩車25,000円~、マイクロバス40,000円~
通夜振る舞い お清めの料理代(大皿料理など)、飲み物代。予想会葬者数の7割分を用意します 一人2~3,000円×人数分+飲み物代
精進落とし 葬儀・告別式用の料理代。人数分のお弁当など料理と飲み物を用意します 1人3~4,000円×人数分+飲み物代
会葬礼状 通夜、葬儀の式場と控室の使用料 100通で8,000円~
会葬返礼品 お茶やハンカチなど。香典返しとは別 1人分800円~

多くの会葬者が見込まれる場合は、上記の「設備費」「通夜振る舞い」「精進落とし」に費用がかかる可能性があります。会場の外にテントを設営したり、季節によって寒さや暑さをやわらげるため、屋外ストーブや扇風機、冷風扇などを設置したりする必要が生じるかもしれません。また看板、案内板の数や、スタッフの人数を多くするため費用がかさむこともあります。

3.火葬にかかる費用

費用項目 内容 参考金額
火葬料 公営と民営で費用が大きく異なります 公営で10,000円~民営で50,000円~
骨壺一式 骨壺、白木の箱、白布の一式費用。 10,000円~
待合室使用料 火葬が終わるまでの2時間ほどを過ごす部屋の室料。公営では無料の場合も 1人3~4,000円×人数分+飲み物代など

上記に挙げた火葬にかかる費用はすべて火葬場に支払うものですが、現場では葬儀社が立て替えて支払います。金額は公営火葬場と民営火葬場によって開きがあります。金額を抑えるため公営を希望する場合、必ずしもかなえられるとは限りませんので注意が必要です。火葬場は近年、予約が混みあっているため、1週間先まであいていないということもあります。

骨壺一式は火葬場が用意しますが、公営では火葬料に代金が含まれていることもあります。民営でよくみられるのは「持ち込み不可」で、いくつかの種類の中から希望に合わせて選択するパターンです。素材や大きさによって値段が異なります。

また以下に記しますが、民営火葬場を利用する場合、担当係員などに心づけをお渡しする慣例もありますので考慮されるとよいかもしれません。

4.その他の費用

費用項目 内容 参考金額
お布施・お車代 宗教者にお渡しします。地域、寺院、寺院とのおつき合いの深さなどで金額は異なります。読経料と戒名料の合計額の全国平均は53万円です お布施は読経料のみで5~150,000円、お車代は5,000~10,000円、御膳料は5,000~10,000円
心づけ ハイヤーやバスの運転手、民営火葬場の係員、お手伝いの方にお渡しします 2~3,000円×人数分
香典返し 四九日の法要が済んでから行います 香典額の「半返し」

僧侶など宗教者へお渡しする費用は、仏式の場合であれば「お布施」と「お車代」です。もし宴席に出席しない場合は、「御膳料」も用意します。

お布施の額は、僧侶の位階や寺院の格式、寺院とのおつき合いの深さ、地域によって違いが生じます。お布施には「読経料」と「戒名料」が含まれ、読経料については、導師だけでなく脇導師をともなっている場合は導師の3割ほどの金額を用意します。戒名料については寺院の関係者などに相場をお尋ねになったほうがよいでしょう。

葬儀費用で失敗しないためのポイント

ここではお葬式を行うにあたってかかる費用を項目ごとにご案内しましたが、実際に葬儀社から渡される見積書や広告を正しく理解するには、いくつか見方にポイントがあります。

たとえばお葬式の料金体系は葬儀社によって異なるため、「○○費一式」などのセット料金になっている場合、何が含まれ、何が含まれないかを確認しておかないと、後で追加費用が膨れ上がることもあります。

後悔することのないよう、「葬儀の見積書の見方」を参考にしていただきながら、葬儀社とよくご相談されるようお勧めします。