自分史・エンディングノートの種類

エンディングノートの種類 : 『人生の結び』と 『その先にある未来を結ぶ』一般社団法人終活・相続の窓口では、第一線で活躍する各種専門家の総動員により、多くのもしもに備え、人生の最期を安らかに迎え、家族の負担を減らし、トラブルを防ぐお手伝いを致します。

自分史・エンディングノートの種類

■巷にあふれる多種多様なエンディングノート

「自分の人生の終い方くらい、自分で決めて準備したい」

「死について学ぶのは、高齢者の教養だ」

終活という言葉の広がりをきっかけに、自分の人生の幕をどう下ろすかに気持ちを向け、実際にさまざまな準備をおこなう方々が大きく増えました。そのような方が真っ先に着手するのがエンディングノートの作成です。

こうした動きを受けて現在、実に多くのエンディングノートが市販されています。また終活セミナーや葬儀社、霊園・墓地の販売会社、そして市区町村などが、独自に無料配布しているケースもあります。さらにインターネット上にも、有償・無償のエンディングノートのテンプレートが提供されています。

いくつか内容を比較したことがある方はおわかりのことですが、エンディングノートはスタイル(形式)についてもコンテンツ(内容)についても、微妙に異なっています。いったい自分はどれを選んだらよいのか――? そのヒントにしていただけるよう、ここではエンディングノートの種類と選び方についてご案内します。

■エンディングノート「スタイルの違いと選び方」

エンディングノートのスタイル(形式)の違いは、おおよそ以下のとおりです。種類を知るだけでも、ご自身の目的や好みに合うもの、合わないものが、ある程度わかります。

◇【既成】市販されている紙のエンディングノート

◇【既成】市販されている豪華装丁版 紙のエンディングノート

◇【手製】紙のエンディングノート(大学ノート、バインダー式ノートなどを利用)

◇【手製】紙のエンディングノート(手帳などを利用した携行版)

◇【既成】パソコン作成用 デジタル版エンディングノート(テンプレートなどを利用)

◇【手製】パソコン作成用 デジタル版エンディングノート

ご覧のとおり、まずは「既成のものにするか、手製にするか」「紙のノートにするか、デジタルにするか」という2点が選び方のポイントになります。その上で、既製品なら「重厚感のあるハードカバーのノートにするか、気軽に新調できるよう手頃な値段のものにするか」、手製なら「つねに身につけて持ち歩けるよう手帳を使うか、普通の大学ノートなどで作り自宅で保管するか」など、用途やお好みで方針を決めます。

■エンディングノート「コンテンツの違いと選び方」

エンディングノートのコンテンツは、大きく分けると以下の3つに絞られます。

◇データ(情報) ―― 本人の身のまわりの情報

◇ウィル(意思) ―― 介護・医療・葬儀などについての希望

◇ライフ&メッセージ(人生の記録とメッセージ) ―― 自分史や家族あてのメッセージ

既製品のエンディングノートには、個性を強く打ち出したものが増加している傾向がみられます。たとえば、重要な伝達事項を確実に伝えることを目的に、「データ」を記載することに特化したもの。また、介護・医療・葬儀・供養に関する方針や意図のみを記し残す「ウィル」を重視したもの。あるいは死後にご家族の心の中に存在し続けるため、自分自身の思いや人柄、エピソードなどを残す「ライフ&メッセージ」を中心にしたもの。

このように、それぞれのエンディングノートが注力しているコンテンツをみて、自分の目的に合っているものを選ぶことが重要です。介護・医療・葬儀についてしっかり希望を伝えておきたいからエンディングノートを作り始めたのに、選んだノートではあっさり箇条書きで希望を記入する欄しか用意されていない、ということもあるからです。

■筆者・監修者をみればエンディングノートの個性がわかる

もうひとつ選び方のポイントとしては、著者や監修者に着目する方法が挙げられます。たとえば葬儀の希望についてご自身がしっかり伝えたいと思うなら、葬儀社が監修したノートを選ぶのがひとつのよい手段になります。葬儀について、ほかのノートより細かな記入欄や解説が用意されているからです。

同様に、相続について書き残すのがおもな目的なら、税理士が監修したものを検討するとよいでしょう。それぞれの専門家の知識を借りて、より満足のいくエンディングノートを作ることができます。

エンディングノートには、できれば「データ」「ウィル」「ライフ&メッセージ」の3つの要素すべてを書き残したほうが、ご家族にも喜ばれます。でも、壮大なエンディングノートの作成計画に押しつぶされ挫折してしまわないよう、お気持ちの向いたものからとりかかり、楽しみながら作業を進めることをおすすめします。