霊園・墓地の種類

霊園・墓地の種類 : 『人生の結び』と 『その先にある未来を結ぶ』一般社団法人終活・相続の窓口では、第一線で活躍する各種専門家の総動員により、多くのもしもに備え、人生の最期を安らかに迎え、家族の負担を減らし、トラブルを防ぐお手伝いを致します。

霊園・墓地の種類

■霊園・墓地の4つの種類

霊園・墓地は、おおまかに4種類に分類できます。

「民間霊園」「公営墓地」「寺院墓地」「共同墓地」の4つで、それぞれ経営主体が異なるだけでなく、購入者・利用者にとって異なるメリットとデメリットがあります。費用はどうなのか、立地条件に特徴はあるのか、管理内容は充分か、ほかにどのような付加価値があるのか、申込みに要件はあるのか――? それぞれの特徴をご自身とご家族みなさんでよく理解した上で、よいお墓選びに役立てましょう。 

■1.民間霊園

宗教法人・公益法人が経営している墓地のうち、いずれの宗教、宗派でも受け入れる墓地を「民間霊園」もしくは「民営墓地」と呼びます。民間と名がついていますが、霊園・墓地の運営については高い公共性と永続性が求められるため、法律によって株式会社など営利法人が経営することは許されていません。

ただし、開発・管理・運営には開発業者や石材店など専門性の高い企業が関わっているため、提供する墓地・墓石の質やサービス内容が充実しています。

民間霊園は、宗教・宗派に制限がないだけでなく、申し込みの要件があまり厳しくないケースが多く、また販売数が多いため購入しやすい点がメリットです。墓石のデザインについても制限がゆるやかな傾向があり、区画も大きいものから小さいものまで豊富に用意されています。たくさんの選択肢の中から予算を含め気に入った墓地を選び、思い通りのお墓を作るにはとてもよいでしょう。

ちなみに石材店は指定の業者に依頼すると決められているケースが多いので、その霊園が提供する墓石についても詳しく調べた上で、検討されることをおすすめします。

また管理・運営の質、そして永代使用料や管理費用に関しては、霊園によって大きな幅があります。候補の霊園についてよく調べ、比較して選ぶことが大切です。

■2.公営墓地

都道府県や市区町村などの自治体、もしくはそれらの自治体から任された公益法人が管理・運営している墓地です。宗教・宗派にかかわらず申し込むことができます。管理・運営の具体的な内容については、それぞれの自治体によって違いがあるため一概にはいえませんが、まず経営面で安定している点、そして管理料や永代使用料など費用が比較的、低価格な点が魅力です。維持にかかる費用を抑えることは、先々お墓を継ぐ方々にとって、とても重要なことです。

ただし公営墓地は募集が少なく、募集期間も短く限定されていて、競争率が高い場合は抽選になります。また申込み資格にも制限があります。「墓の継承者がいる」「未納骨の遺骨がある」「該当地域に住所がある」など規定の要件をみたしていなければ申し込めないので、自分のお墓を生前に購入できないこともあります。また、墓地も新規ではなく過去に別のお墓が設置されていたケースが多くあります。 

■3.寺院墓地

宗教法人が運営している墓地のうち、寺院の境内や隣接する土地にあり、使用する際その寺院との檀信徒契約を必要とするものを寺院墓地といいます。そのため、宗教・宗派はその寺院のものに限定されます。

寺院墓地を保有すれば、寺院と代々にわたって継続的に密接な関係を築くことができます。お墓や供養全般についての相談はもちろん、宗教者としてさまざまアドバイスなどもしてもらえ、手厚いお祀りとともに家族のよい学びの機会が増えるでしょう。また傾向として、民間霊園よりはアクセスしやすい好立地にあることが多く、お墓参りが気軽にできるなどのメリットがあります。

注意したいのは、関係が密接だからこそ、その寺院や住職との相性が問題になるケースがある点です。できればあらかじめ何度か住職と会う機会を持ったり、檀家の方にお話を聞くなどして、住職のお人柄を含め様子を知っておくとよいでしょう。また、永代使用料や管理料、墓地使用制限などについてはっきり決められていない場合があります。トラブル防止のため、必要な事項については事前に取り決めをかわすと安心です。 

■4.共同墓地

「共同墓地」は近年、静かな注目を集めているスタイルです。個人のお墓ではなく、石碑・供養塔などを建立し、その中に用意した納骨スペースに、複数の方のお骨を合同でおさめるものです。「合同墓」「集合墓」ともいいます。

実は「共同墓地」と呼ばれるものは昔からあったのですが、それらは地域ごとに自然発生的にできた合同墓で、一般に販売されるものではありません。

しかし近年、ご家族を持たない方が多くなったことや、お墓に対する考え方が多様化したことから、共同墓地を求める方が増えてきています。そこであらたに生まれたのが現代式の共同墓地です。

現在、販売されている共同墓地や集合墓は、基本的にお墓の管理や供養をお寺などが担う「永代供養墓」です。そのため、「供養はしてほしいけれど家族がいない」「子孫にお墓の維持や管理の負担をかけたくない」という方を中心に、人気を集めています。また個人で墓石などを購入する必要もないので、費用が安価ですむ点も大きなメリットです。

世の中が変わり、人々の生き方、暮らし方や死生観が多様になったことで、お墓のあり方も多様化しています。利用するわたしたちにとっては、選択肢が豊かに増え、個人の望むお墓を持てる状況に変化をみせています。