遺産相続における遺留分の権利者

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遺産相続における遺留分の権利者

遺留分の権利者とは

遺留分の権利者は兄弟姉妹を除く法定相続人であり、その割合は以下となります。

①直系尊属のみが相続人である場合:被相続人の財産3分の1

②それ以外の場合:被相続財産の2分の1

ただし、兄弟姉妹は遺留分を請求することは出来ません。(民法第1028条)

※例えば、被相続人の相続財産は1億2,000万円の場合

①相続人は配偶者と子供2人の場合

配偶者の法定相続分:6,000万円 遺留分:3,000万円

子供1人分の法定相続分:3,000万円 遺留分:1,500万円

②配偶者も子供も死亡しており、相続人は直系尊属1人のみの場合

法定相続分:1億2,000万円 遺留分:4,000万円

③相続人は配偶者と直系尊属1人の場合

配偶者の法定相続分:8,000万円 遺留分:4,000万円

直系尊属1人の法定相続分:4,000万円 遺留分:2,000万円

何故兄弟姉妹には遺留分が認められていないのか

そう思われる方も多いと思います。相続の権利はあるのに遺留分が認められていないのはどうしてでしょうか。

それは、被相続人との相続関係が最も遠いからと言われています。そして遺産の相続人の対象と相続順位にも記載しているように、兄弟姉妹は相続順位第3位で被相続人から最も遠い相続順位になっているため、兄弟姉妹が相続人となるケースは、被相続人に子供も親もいない時です。しかも、相続割合も配偶者がいる場合は4分の1しかありません。

もう一つの理由は、兄弟姉妹には代襲相続という制度があるからとも言われています。兄弟や姉妹は相続人としては第三順位ですので、配偶者と兄弟姉妹または兄弟姉妹のみが相続人となる場合に財産を相続することになります。

 代襲相続について

代襲の可否備考
兄弟姉妹の子甥姪までは代襲相続権が認められている
兄弟姉妹の養子養親である兄弟姉妹が亡くなる前に養子縁組をしている場合、代襲相続権が認められる。
兄弟姉妹の孫×兄弟姉妹の場合は、孫が代襲相続人になることはできない。

兄弟姉妹の子(養子)は被相続人から見て「甥 姪」にあたりますから、もし兄弟姉妹に遺留分を認めてしまうと、甥や姪にまで遺留分権利が発生することになります。

被相続人がせっかく作成した遺言書が、甥や姪の遺留分権利の行使によって一部否定されてしまうのは、遺言者にとって酷なのではないか、そのような理由から、兄弟姉妹には遺留分権利を与えないとされています。