エンディングノートに書くべき介護・告知や延命治療献体など

介護・告知や延命治療献体など

エンディングノートに書くべき、医療・介護に関する事

ここでは【医療・介護】のテンプレートでしばしば取り上げられる内容について、具体的なサンプルを挙げながら、書くときのポイントや注意点をお伝えしていきます。 

【医療・介護】は、旅立ち以前のステージに関することが中心です。万一、ご自身の意思を伝えられない状態になった場合を想定して、「こんな介護生活を送りしたい」「こんな治療だけは避けたい」「こんな最期を過ごしたい」などの希望をあらかじめ記します。ただしご自身の意思を決めるには、終末期医療や介護、臓器移植などについて情報と知識を集め、死生観を固めていくことも必要になります。ご家族への気遣いだけでなく、ご自身の本心からの望みを見つめ記しましょう。

■介護に関する希望■

介護をお願いしたい人/介護をしてもらう場所の希望/介護が必要になったときのそのほかの希望/介護資金の有無と資金源/介護をお願いした家族への支払いの有無・毎月の支払額もしくは財産分与額/介護関係の相談先リスト/認知症など意思決定できなくなったときの財産管理人

*「介護をお願いしたい人」は、「配偶者」「息子〇〇夫婦」「娘〇〇夫婦」「介護保険を利用して、息子〇〇夫婦を中心に家族全員で」「介護ヘルパーに依頼する」など、具体的に記します。

*「介護をしてもらう場所の希望」は、状態によって可能な選択肢が限られます。さまざまな状況を想定して「自宅」「息子〇〇夫婦宅」「娘〇〇夫婦宅」「公的な介護保険施設」「公的な福祉施設」「民間の有料老人ホーム」などの選択肢から選び、理由などを添えます。

*「介護資金の有無と資金源」には、「自己名義の預貯金」「資産〇〇を処分して充当」「家族○○に援助をお願いする」「民間介護保険の一時金」「年金」「介護ローン」「その他」などの具体的な選択肢から指定し、説明を記します。

*「介護関係の相談先リスト」は、以下のような相談・支援機関の一覧です。ご自身で管轄事務所や近所の事業者を調べてリストアップしておきます。万一あなたが介護を受ける状態になった場合、心を痛めているご家族を、あなた自身がおこなった準備によって助けることができます。

①自治体窓口 ②地域包括支援センター ③地域の社会福祉協議会 ④地域の民生委員⑤近所の民間介護事業者 ⑥ケアマネージャー ⑦ヘルパー

■余命わずかになったときの希望■

知らせてほしい人のリスト/会いたい人のリスト/終末期医療の方針/備考

*「終末期医療の方針」とは、おもに以下のようなことについての希望です。もちろんそのときの状況に左右されますが、ご本人の死生観が大きく関わる問題です。そのときがきてから考えても答えを出すのが難しい場合も多くありますので、普段からよく考え、自分の心を見つめておく必要があります。

①最後まで治癒を目指し積極的な治療を続けてほしいor治癒が見込めない段階になったら緩和治療に移行し苦痛なく穏やかに療養したい

②通常の除痛治療で効果が出にくくなったら意識が朦朧としてもよいので強い薬剤で除痛してほしいorできるだけ最後まで意識がある状態でいたい

③終末期で要件を満たすなら病院の緩和ケア病棟かホスピスに入りたいor可能なら在宅ホスピスケアを受けたい

■延命治療と尊厳死に関する希望■

延命治療の可否に関する希望/意思表明の書類等の有無・保管場所

*延命治療とは、傷病が回復不能で死期が迫っていることが明らかな場合に、生命維持装置を装着することです。一度装着すると、それをはずす行為は死なせることを意味しますので、医師もご家族も精神的に強い抵抗を抱きます。ご本人の意思を明確にしておくことで、負担を軽くすることができます。

*延命措置を拒否したい場合、その意思をエンディングノートに記すことは大切ですが、本人が間違いなく意思表示したものだと保証する「尊厳死宣言公正証書」を作成する方も増えています。医師は、患者家族の中にひとりでも延命希望者がいると、後に訴訟に発展することを恐れ、患者の意思にかかわらず延命を行う場合がありますが、公正証書を用意しておけば、95%以上の医師が患者の希望に沿い延命治療を差し控えます。

*エンディングノートに意思を記載しておくだけでなく、普段からご家族の皆さんに希望を話し、納得してもらっておくことが大切です。納得が不充分だと、いざというとき、ご家族が別れがたい思いから苦しい思いを負うことがあります。

■臓器提供と献体に関する希望■

臓器提供の希望に関する意思・臓器提供意思カードの有無・保管場所/献体の希望に関する意思・登録の有無・登録証や会員証の有無と保管場所・連絡先 

*臓器提供と献体についても、あらかじめご家族とよく話し合い、希望する場合はきちんと説明をし、納得してもらうよう留意します。たとえ亡くなった後の体でも、「傷つけたくない」と思い、感情的に苦痛に思うご家族は少なくありません。

医療・介護に関する希望は、ご家族のためにもしておきたい

医療・介護については、自分自身の意思・方針を決めることでさえ難しいものです。さらに、その意思をご家族に了解してもらうことはさらに大変かもしれません。しかし遺された方々は、故人の最期の過ごし方について「あれでよかったのだろうか」といつまでも思い悩みご自分を責めることがあります。そのような思いを抱かずにすむよう、生前から考えや気持ちを伝え合っておきましょう。