自分史・エンディングノートで書き忘れがちな要素

エンディングノートで忘れがちな要素

エンディングノートで忘れがちな要素は何?

■「書き忘れ」でご家族を困らせたりがっかりさせないために

せっかくエンディングノートを作ったのに、大事な情報を書き忘れた――。

発覚したときには、書いたご本人はすでに旅立っていて「知らぬこと」ですが、遺された方々は困ったり、呆れたり、がっかりしたり。そんなことにならないよう、エンディングノートを書くときに忘れがちな要素を、あらかじめ知っておきましょう。

多くの方が「書きもらしがないように」と神経を使うのは、葬儀・埋葬に関すること、資産に関すること、お子さまやご高齢のご家族に関すること、そしてお仕事に関することです。でも、実はこれらについてさほど心配はいりません。市販のエンディングノートを利用すれば、こういった重要ジャンルの伝達事項について、もれなく記入欄が用意されているからです。

書き忘れについて注意するべきポイントは、以下の3つです。

◇作った後、必要に応じて情報を更新すること
◇意思疎通が困難になったときを想定した、介護や治療、延命措置の希望を記載すること
◇遺された方々の「心を救うひと言」を添えること

これらはうっかり忘れがちですが、とても重要な要素です。ひとつずつみていきましょう。

■忘れがちな要素① 情報を更新すること

エンディングノートに重要な伝達事項をひとつひとつ記入し完成させると、「これで準備は万端」と、つい安心してしまいます。しかしエンディングノートを作成して半年、1年、2年と月日がたっていくうちに自分を取り巻く環境が変化し、記載した情報に変更が生じる場合があります。

たとえば保険のかけ替えです。また大きな出費があったり遺産の相続があれば、預貯金など資産の内容も変わります。ほかに家族、親族、友人知人の連絡先の変更もまめにおこなう必要が出てくるでしょう。人によっては、パソコンのパスワードや加入しているSNSについての情報にも留意しなくてはなりません。

エンディングノートは「いったん書き上げたら終わり」ではなく、随時更新していくものだと覚えておきましょう。そのため、エンディングノートはどこかに大事にしまいこむのでなく、目につきやすく、ふと変更点を思い出したときにすぐ書き直せるよう、リビングなどに置いておくことをおすすめします。誕生日やお正月などタイミングを決めて、毎年見直しをするのもよいでしょう。修正箇所には修正した年月日を付記しておきます。

また書き直す個所が多くなってしまったら、新しいエンディングノートを作ってもよいですし、内容を編集しやすいよう最初からバインダー型のノートを利用して、市販のエンディングノートを参考に自作してもよいでしょう。

■忘れがちな要素② 延命治療など終末期の治療方針

エンディングノートが活躍するのは、亡くなったときだけではありません。あまり想像したくないことですが、事故や病気のため、充分な認知力や判断力がなくなったり、自分の意思を伝えることが困難になったり、意識を失った状態になるケースもまれにあります。

そんなとき、治療方針をどうするのか。あるいはもっと深刻な状態になったら、人工呼吸器など生命維持装置をもちいる延命治療を受けるのか、それとも自然死を選ぶのか――。

そんな重要な決定をゆだねられるのは、ご家族にとってとてもつらいことです。エンディングノートはたとえ自筆でも法的に効力を持つ書面ではありませんが、ご家族が決定権をゆだねられたとき、正常な状態でのご本人の意思を確認できるのは大きな助けになります。忘れがちなのですが、ぜひ自分の介護、医療に関する方針についてしっかり記しておくことをおすすめします。

近年では「尊厳死宣言公正証書」など、とくに延命措置を拒否したい方が事前に意思表示しておくために作成する「リビングウィル」も注目されています。法的効力はなくても医療機関で広く受け入れられるため、作成する方も少しずつ増えているようです。エンディングノートをきっかけに、望みどおりの最期を迎えることについて考えるのもよいことです。

■忘れがちな要素③ 残された方々の「心を救うひと言」を添える

エンディングノートに綴ったメッセージはあなたの死後、ご遺族の心を支え、癒す力を発揮することができます。これはエンディングノートのとても大切な役割となっていますから、ぜひ忘れることなく温かい気持ちを形にして表しましょう。

あなたと死別した後、ご家族は孤独感や寂しさ、哀しみに包まれます。大切な人との死別は、自分が死んでいくことと並ぶほどつらい、人生の一大試練です。そんな状況におかれたご家族を思い浮かべ、かけてあげたいひと言――「いつも見守っているよ」「また、あちらで会おう」「君のときにはかならず迎えにくる」など――を、エンディングノートにしたためておきます。きっと、ご家族が悲嘆の中から立ち上がる力をもたらしてくれるでしょう。