墓石やお墓の修理費用やその仕方
■お墓の破損がもと通りになる ――お墓専門家のメンテナンスサービス――
お墓は風雨にさらされ、夏の陽射しや冬の降雪に耐え、何世代にもわたって大切な遺骨を守り続けてくれます。その長い年月の間には、お墓が破損することもあります。建立から10年、20年もたてば、何かしらのトラブルが生じてくるでしょう。
しかしお墓の建て替えともなると、現在の墓石の撤去と新しいお墓の設置が必要になりますから、200~300万円の費用がかかります。かんたんに出せる金額ではありません。
そのようなとき、メンテナンスを検討されるとよいでしょう。現在の技術では、さまざまなタイプの破損について、修理・修復が可能になっています。
◇不注意で墓石に傷をつけてしまった
◇経年劣化で、外柵の目地が切れている
◇台風で墓石がずれてしまった
◇金具の部分が割れてしまった
◇気がついたら敷石が沈下している
◇石碑の文字ペイントが剥げている
◇地震で倒れないよう耐震補強をしてほしい
お墓には、多種多様な問題が起こります。しかし墓石はいったん欠けてしまったら再生することはありません。また天然素材のため、アマチュアが補修素材を使ってきれいに補修することもできません。でも墓石の専門家の手にかかれば、少々の傷は問題なくきれいになります。お墓にトラブルが生じたら、あきらめる前にメンテナンスで修復する可能性を探りましょう。
■お墓の修理メニュー
石材店は、基本的にどこもお墓のメンテナンスをおこなっています。どのような修理を手がけているのか、一部をご紹介しましょう。
破損状況 | 修理の手段 |
石碑の小さな欠け | 研磨加工 |
石碑のぐらつき・倒れ | 石碑の組み直し |
石碑や外柵の目地切れ | シリコンなどによる目地の補修 |
文字ペイントの剥離 | 再ペイント作業 |
花立てや香炉の破損 | 交換 |
敷石の沈下・剥離 | 敷石の再施工 |
塔婆立の破損 | はしごを交換・全体を新規に交換 |
石材の変色 | 原因にあわせたシミ抜き |
玉砂利の沈下 | 玉砂利の追加・交換 |
墓誌台の目地切れ | 目地の補修・免震接着剤の充填 |
地震対策 | 耐震・免震施工(解体・免震接着剤・再組立て) |
汚損の防止 | セラミックコーティングなど |
お墓の修理の方法は、破損の細かい状況によって変わります。たとえば和型墓石の棹石(さおいし)がずれてしまったとき、単純なずれであればクレーンなどで位置をもとに戻すだけで解決します。費用も数万円程度ですむでしょう。ところが基礎が不安定なために起きたずれだった場合、基礎を作り直す必要があります。費用も一気に10~30万円とふくれあがります。
お墓にどのような問題が起きたのかはわたしたちでもわかりますが、その原因とメンテナンスの方法は、専門家でなければわかりません。費用のことも含め、霊園・墓地を通じて専門業者に相談されるとよいでしょう。
■お墓のメンテナンスの費用
お墓を建て替えることなくきれいに修復できるのは魅力的ですが、気になるのは費用です。業者によって料金設定が異なりますし、お墓の状況によっても大きく変わりますので相場の金額をお伝えするのは困難です。サンプルとして、二つの業者の料金を挙げておきましょう。
破損状況 | A社 | B社 |
石碑のぐらつき・倒れ | 100,000~300,000円 | 56,000円 |
石碑や外柵の目地切れ | 30,000~50,000円 | 8,000円~ |
文字ペイントの剥離 | 10,000~30,000円 | 11,000円 |
花立てや香炉の破損 | 数千円~20,000円 | 13,500~17,000円 |