遺産相続税の申告方法と期限
遺産相続税の申告が必要となる場合
相続税の申告書を税務署に申告しなければならないケースは、次のような条件に当たる場合です。
条件:「純資産価額」>「遺産に係る基礎控除額」
この場合、相続税の申告は、遺産分割等により被相続人の財産の帰属が確定しているのか、あるいは、分割協議が整わなくて未分割の状態で申告することになりますが、いずれであっても以上の条件に該当する場合には、申告することになります。
純資産価額とは、被相続人から相続などによって取得した各相続人等の取得財産の価額に、各相続人の相続時精算課税の価額の合計額を加算し、各相続人が負担すべき債務及び葬式費用の価額を控除した金額を純資産価額といいます。
また、遺産に係る基礎控除額は、4の「相続税の基礎控除など」の項で詳しくは説明しておりますので、その詳細については、そちらを参照してください。
遺産に係る基礎控除額は、3000万円+600万円×法定相続人の数を乗じた金額です。この法定相続人には、相続人のうち相続放棄した相続人もその放棄がないものとみなして法定相続人の数に算入します。被相続人の養子がいる場合で実子がいないときは、養子の数が2人を超える場合には2人まで法定相続人の数として算入することができます。しかし、実子がいるときは、養子の数が2人以上であっても1人までしか算入できません。
相続税の申告をする場合には、被相続人の相続発生時の住所地を管轄する税務署に相続人等が原則として連署して共同して申告をいたします。つまり、各相続人は、自分が相続した財産について、共同して、申告をします。ここで、よく問題となるのは、相続人間の仲が悪く、共同申告書に連署したくないというケースがあります。その場合には、被相続人の財産のうち自分が相続した分だけの相続税申告書を単独で申告することが例外的に認められております。また、被相続人の純遺産価額が基礎控除額を超える場合でも、相続税額が発生しない場合もありますが、それであっても、申告をしなければなりません。例えば、「小規模宅地の特例」や「配偶者の税額軽減の特例」などの特例制度を適用されている場合には、期限内に申告をする必要があります。
相続税の申告期限は、被相続人の死亡日から10か月以内に申告しなければなりません。また、相続税額がある場合には、ご自分で、相続税の納付書に納税額を記入して期限内に納付しなければなりません。