密葬とは?密葬の場合の費用や香典の相場など

密葬

密葬とは、広く告知せず内輪で行う小規模のお葬式

「密葬」は、訃報と葬儀案内を広くお知らせすることなく、内輪で行う小規模の葬儀のことを言います。一般に「ご遺族だけで行うもの」というイメージが強いようですが、必ずしもそうとは限らず、ご遺族、ご親族、そしてごく親しい方々で執り行われます。

また「密葬」と「本葬」がセットになったスタイルと、「密葬」のみを行うスタイルの両方があります。それぞれ簡単にご紹介しましょう。

1.「密葬」と「本葬」をセットで行うケース

たとえば故人が著名人の場合や、企業経営者などで社葬が開催される場合、まず亡くなった直後にご遺族を中心とした内輪の葬儀を行い、後日、一般会葬者を招いた大規模な葬儀を行うことがあります。こうした形式の葬儀で最初に実施されるご遺族中心の葬儀を「密葬」、その後の葬儀を「本葬」と呼んでいます。また本葬の代わりに「お別れの会」が実施されるケースもあります。

2.「密葬」のみを行うケース

「本葬」なしで「密葬」のみを行う葬儀スタイルもあり、こちらは「家族葬」とも呼ばれます。ご遺族とご親戚を中心に、ごく親しい方が会葬する場合もあります。そもそも「家族葬」は、「密葬」を親しみやすい名称に呼び変えたもので、現在では核家族化や高齢化が進んだ影響もあり、大幅に増加している葬儀スタイルとなっています。

密葬の目的

著名人や、社葬・団体葬が行われるような社会的立場の方が亡くなった場合、葬儀には多くの会葬者が見込まれ、当然、葬儀の準備にも相応の日数がかかります。逝去から数日あるいは1週間程度で準備を整えることは難しく、そのため大規模な葬儀の前に火葬までを含めたひととおりの葬儀を行う必要が生じます。

またこういった大規模な葬儀は「社会的行事」の意味合いが強くなりますので、ご遺族が心置きなく故人とのお別れをすることが難しいという一面もあります。そういった理由からも、密葬が求められます。

一方、単独の密葬を希望する方々も年々、増加傾向にあります。最近では終活の一環としてご自身の葬儀の準備を生前に整える方が多くなっていますが、その際「残していく家族にできるだけ負担がかからないようにしたい」「本当に親しい人々だけに見送ってもらいたい」などと考え、密葬を希望されるケースが目立ちます。

またご遺族の側も、たくさんの会葬者に気を遣うことなく、ゆっくり故人とお別れすることができるというメリットから、密葬を選ぶ方が多くみられます。

ただし単独の密葬を行う場合、参列できなかった方々に不満を残してしまうことがありますので、どなたにご案内をするか慎重に検討しなくてはなりません。またお呼びしない方々に対しては、密葬への理解が得られるよう丁寧に意思をお伝えし、また生前のご厚誼へのお礼をしっかり表現することが大切です。

「密葬」「本葬」の特徴

「密葬」と「本葬」、もしくは「お別れの会」をセットで執り行う場合は、「本葬」「お別れの会」の葬儀委員とも打ち合わせをして、通夜と密葬の式次第、装飾、演出などを決定します。密葬はご遺族主体のものですから基本的にご遺族の意向に沿って行われますが、費用の支払いをはじめ、本葬と一体となったものとして扱います。

密葬と本葬は規模も目的も異なるため、以下のような違いがみられます。

  実施時期 新聞広告など 葬儀のスタイル 供花・お香典
密葬 逝去後すぐ(数日~1週間) 一般への告知はしない 喪家の意向により宗教儀礼を行う 受領・辞退は喪家が自由に決める
本葬 1カ月ほど後 訃報記事や黒枠広告を出す 無宗教で行うケースが多い 税務上の都合から一般的にお香典は辞退する

密葬のマナー

密葬には、遺族側のマナーと会葬者側のマナーがあります。通常とは少し異なるスタイルの葬儀のため、両者ともに配慮が必要です。

<遺族側のマナー>

1.密葬でも親戚や親しい方には事前にお知らせをする

故人はご遺族以外の方々にとっても、大切な存在であるはずです。故人が親しかった方、お世話になった方に訃報を知らせないのは、その方々の存在やこれまでのおつきあいを軽視した行為とも受け取られかねません。逝去したことと密葬にすることを知らせ、弔問・供花・お香典を辞退するときにはその旨もお伝えします。

2.密葬を行った後に事後通知を送る

それほど親しくない方や少し疎遠になっている方々へは、密葬をすませた後にお知らせの書状をお送りします。通知の文面にはかならず「葬儀は故人の遺志により近親者だけで営みました」などの言葉を添え、理解していただけるよう努めましょう。弔問・供花・お香典を辞退する場合はそのことも記します。

<会葬者側のマナー>

1.会葬・弔問・供花・お香典などの辞退を伝えられたらそれに従う

密葬は故人やご遺族の「内輪だけで見送ってほしい」「見送りたい」という意思表明ですから、そのお気持ちを尊重します。「そうは言っても何もしないわけにはいかない」「遠慮しているだけだろう」「何かしらお手伝いできることがあるだろうから一応、伺おう」などは、会葬者の勝手な都合や考えですから控えるようにします。

2.事前に受けた密葬のお知らせは口外しない

外部へ話してしまうと、会葬する人が出てご遺族に余計な負担をおかけしてしまうこともあります。それでは密葬にした意味がありません。故人やご遺族の意向を損ねる事態につながるような行為は控えます。

密葬の費用の相場

「密葬」と「本葬」がセットになり、後日「社葬」や会社主催の「お別れの会」を実施するケースでは、「密葬」の葬儀費用も含めて会社が負担するケースが一般的です。

葬儀費用の金額は、規模・会場・葬儀の内容によって異なります。小額のケースでは30万円台の実施例もみられる一方で、数十人規模でも豪華な祭壇を設置したり、音楽家による生演奏など特別な演出を行えば、400~500万円の費用がかかるケースもあります。

密葬のお香典

密葬は表立った告知をせず、弔問を避ける葬儀なので、基本的には他人が関わることは控えます。密葬の連絡をもらわなかった方は、弔問しお香典をお渡しすることは遠慮するのがマナーです。

また密葬に呼ばれた場合、お香典を辞退する意思を喪主側から伝えられているなら、お香典をお渡ししません。密葬への参列を案内されたものの、とくにお香典について説明がないときは持参するべきでしょう。金額の相場は一般の葬儀と変わりありません。以下をご参考に検討されるとよいでしょう。

あなたと故人の関係 あなたが20代 あなたが30代 あなたが40代~
勤務先の上司・同僚・部下 5,000 5,000~10,000 10,000~
上記のご家族 3,000~5,000 3,000~10,000 5,000~10,000
友人・知人 5,000 5,000~10,000 5,000~10,000
ご近所 3,000~5,000 3,000~10,000 3,000~10,000
祖父母 10,000 10,000~30,000 30,000~50,000
両親・義両親 30,000~100,000 50,000~100,000 100,000~
兄弟姉妹、義兄弟姉妹 30,000~ 50,000 50,000
伯父・叔父・伯母・叔母 10,000~ 10,000~ 10,000~
その他の親戚 3,000~10,000 5,000~ 5,000~

また、会社の取引先の方が亡くなり、後に社葬が行われることを前提に密葬が行われるケースもあります。その場合、主催者は社葬でのお香典は辞退し、密葬でご遺族がお香典を受けるケースがほとんどです。ご自身の会社名や社長名で出したほうがよい場合もありますので、会社と相談の上、決めるようにします。金額は1~3万円が相場です。社長名や会社名で包む場合はおつき合いの深さにより3~10万円が一般的です。