直葬とは?葬儀の直葬の費用や香典など

直葬

 

直葬とは、お葬式をせず、火葬のみを行うお見送りの方法

亡くなった方をお送りする方法にはさまざまありますが、中でももっともシンプルなものが「直葬」です。本来は、「お通夜」→「葬儀式」→「告別式」→「火葬」という一連の流れで行われるところ、「直葬」では火葬のみを行います。そのため「火葬式」とも呼ばれます。直葬は「葬儀」ではなく、「葬送」のひとつです。

直葬を希望される方は、「葬儀に費用をかけたくない」「遺族、親族がほとんどいない」「儀式としての葬儀にあまり意味を感じない」などの理由で選ぶケースが多くみられます。基本的には火葬だけの簡素なお見送りではありますが、もちろん希望すれば火葬の前に、僧侶に読経をしてもらうことも可能です。

直葬の流れ

直葬ではお通夜も葬儀・告別式も行いませんが、亡くなった場所から遺体をただちに搬出し、納棺して火葬されるまでの間、いったん安置しておくことが必要です。また火葬の予約をし、火葬場までの搬送もありますので、これらを一括して葬儀社に依頼することになります。

直葬の手順は以下のとおりです。

直葬の流れ
遺体の搬出 → 納棺 → 安置 → 火葬場への搬入 → 火葬許可証の提出 → (読経などの儀式) → 火葬 → 骨あげ → 埋葬許可証の受取り

火葬の際はかまどの前に小机が用意され、供花、香炉などが置かれていますので、そこに遺影を据え、ごく短い「納めの儀式」を行うこともできます。

僧侶による読経とともに、お焼香、合掌、礼拝を行い、お見送りをする方の合掌のうちに棺がかまどに入れられ、火葬されます。その後は火葬が終了するまで待ち、終了したら「骨あげ」を行います。骨壺と骨箱に納められた遺骨を大切にいただき、火葬場の受付けで埋葬許可証を受け取り終了となります。

直葬の費用と相場

直葬は費用が低額なことはたしかですが、契約をする際には費用の内訳をしっかり確認することが大切です。たとえば10万円以下の低額直葬プランでは、実際に直葬を行うために必要ないくつかのサービスや物品の費用が含まれていないことがあります。手配や作業を進める段階で次々に追加費用が加算され、最終的な支払額が予想外に膨れ上がってしまうことがないよう気をつけましょう。

直葬では、亡くなった場所から遺体を搬送し、火葬までの間、安置します。このとき「安置場所まで搬送する寝台車料金」「ドライアイス代」「安置料金」「枕飾り一式」などの費用がかかる可能性があります。不要な場合、枕飾り一式は省くことができますが、そのほかは必要なものばかりです。ところが、実際には火葬まで2日分のドライアイスが必要でも、低額プランでは1日分しか費用に含まれていなかったり、あるいはまったく含まれていないことがあります。そうすると当然、追加料金が発生します。

またその後の納棺に際しては、「棺の代金」「仏衣一式の代金」「棺用の布団代」「役所と火葬場の手続き代行料」がかかる可能性がありますが、低額のプランでは「仏衣代と布団代は別料金」ということも少なくありません。ご遺族がすぐに自前で用意できればよいですが、急なことでそうもいかず葬儀社にお願いするとなると、追加料金が生じます。

続いて火葬するにあたっては「火葬場まで遺体を搬送する寝台車料金」「お花代」「火葬料金」「骨壺および骨箱代」「スタッフ人件費」が費用項目として考えられますが、低額プランの提示金額には、この中の火葬料金が「低額ですむ場合の金額」で計算されていることがあります。公営の火葬場では火葬費用は数千円~50,000円ほどですが、民営だと50,000~150,000円かかります。日程的に民営を選ぶしかない場合、大きく追加料金がかかる可能性もあります。

そのようなことに留意し、葬儀社に直葬プランを依頼する際には充分に確認することをお勧めします。費用をできるだけ抑えたいと望まれた場合、実際に直葬でかかった費用は120,000~250,000円というケースが多くみられます。

直葬の注意点

直葬は、「遺していく家族に負担をかけたくない」「経済的に葬儀を行う余裕がない」という方々にとって意義ある葬送です。ただし、ほかの選択肢を選ぶこともできる場合、安直に「費用が安いから」「手間がかからないから」と直葬を選んでしまうと、後々問題が生じることもあります。

たとえばご自身が亡くなったら直葬にしてほしいとご家族に言い残し、そのとおりにしてもらった場合、ご遺族が「本当にあのような送り方でよかったのだろうか」「可哀想なことをした」など後々まで後悔することは少なくありません。

また直葬をすることがたとえ故人の遺志だったとはっきりしていても、ご遺族、ご親族の中には「このような送り方には納得できない」と非難する方が現れ、トラブルになるケースもあります。また直葬では火葬に立ち会うのは限られた身内の方に限られますから、ご親族や知人の中で「お別れをしたかったのにできなかった」という方々との間で感情的なしこりが生じることもあります。

関係者にはあらかじめ葬儀を行わない旨の連絡をし、葬儀を直葬にすることについて、よく理解してもらうことが大切です。

また葬儀は、遺された人々が大切な方の死としっかり向き合い、きちんとお別れをし、心に区切りをつける上で非常に大きな役割を果たしています。そのため葬儀の一切をしないことが、死別の悲しみを癒すプロセスを少々困難にする場合もあります。葬儀は大切な方とのお別れの場です。直葬を選ばれる際は、後で後悔しないようしっかり検討し、関係者の方々への相談を怠らないようにしましょう。

直葬のお香典

最後に、直葬で旅立たれる方へのお香典について知っておきましょう。通常、直葬の場合は一般の参列を行いませんし、喪家はお香典も辞退します。

もし「お線香を上げさせていただきたい」「お悔やみの気持ちを伝えたい」という場合は、後日、ご遺族にご連絡して弔慰を伝え、弔問を受けていただけるかお尋ねします。ご自宅への弔問はご迷惑になる場合が多いので、かならずご意向を尊重し、もしご遺族から遠慮される言葉があった場合は控えるのがマナーです。お返し不要の「お供え物」をお贈りするなどにとどめておきましょう。

弔問を受けていただける場合のみ、日時をお約束の上、お香典とお供え物を持参してご自宅にうかがいます。お香典は受けていただけない場合がありますが、お供え物はお受けいただける場合がほとんどです。お香典は3,000~5,000円が一般的です。故人への思いも大切ですが、ご遺族に配慮した振る舞いを心掛けましょう。