お葬式の種類

お葬式の種類

意外に豊富な「お別れのかたち」

ドイツが生んだ理論物理学の天才アインシュタインは、プリンストンの病院で息を引き取った後、荼毘にふされ、遺骨は近くを流れる美しい河に散骨されました。これはアインシュタイン本人の強い希望だったといいます。

またロックの王様エルビス・プレスリーの遺体はテネシー州メンフィスの自宅に安置され、訪れたファンのうち3万人が邸内に入り、純白のスーツに身を包んだプレスリーと最後のお別れをしました。

お葬式といっても、スタイルはさまざまです。とくに現代では旅立たれた方の個性や思いを形にしたいと望まれるケースが多く、そのお気持ちに応えるように、多様なスタイルの葬儀が用意されています。

よく知られる「一般葬」「社葬」のほか、これらふたつを一緒に行う「合同葬」。ご家族を中心に行う「家族葬」や「密葬」。お通夜を行わない「一日葬」。シンプルに火葬場で荼毘にふす「直葬」。宗教ごとのしきたりに沿った「宗教葬」。死生観によっては「自然葬」「散骨」「樹木葬」を望まれる方もありますし、近年では「生前葬」を行う方も増えています。

最良のお葬式を選ぶには、まず種類を知ること

旅立たれた方のお気持ち、ご遺族の意向、お立場などの事情、ご予算などの条件――。葬儀のスタイルを決定するにはいろいろな要素が関わってきますが、その中で最良のお葬式を実現するため、まずは種類について知っておきましょう。

それぞれ詳しくご紹介するページを設けていますが、ここではお葬式の種類について簡単にまとめご案内します。

一般葬 喪家が施主となる従来のお葬式で、ご遺族・ご親族以外の親しい方や職場関係者にも会葬してもらうスタイル
社葬 法人(企業)が施主となって営まれる葬儀。会社の創業者やオーナー、経営者をはじめ、特別な貢献があった役員・社員が亡くなった場合や、業務中に殉職した社員のために行われる
合同葬 故人の喪家としての葬儀(一般葬)と、法人としての葬儀(社葬)を合同で執り行う葬儀
家族葬 もともとはご遺族のみで行う葬儀のこと。現在では、ご親戚やごく親しい方などを会葬者に含めた、小規模・少人数で営む葬儀を指す
密葬 広く告知することなく、ご遺族・ご親族を中心にごく親しい方だけが内々で密やかに行う葬儀。大規模な本葬の前に行うケースもあるが、必ずしも本葬と密葬がセットになっているわけではない
一日葬 通夜法要(通夜式)を行わず、1日で火葬まですませる葬儀
直葬 通夜・葬儀・告別式を行わず、ご遺体を直接火葬場へ運び、火葬・拾骨する葬送法。宗教者を呼び、火葬炉の前でシンプルなお別れの儀式をすることもあり、その場合は「炉前式」や「火葬式」と呼ばれる
宗教葬 仏式、神式、キリスト教式、そのほか故人の信仰により、宗教の厳密な儀礼、手順、作法に従って執り行われるお葬式
自然葬 遺骨をお墓に納めず、海や山など自然の中で散骨したり、霊園・墓地で樹木を墓標に納骨したりする葬送法のこと
散骨 遺骨を海や山に撒く葬送法。法務省の見解として、節度を持って行われる限りにおいて葬送のひとつと認められるようになった
樹木葬 自然葬のひとつで、霊園や寺院が運営する墓地において、樹木を墓標にし、土中に遺骨を埋蔵するもの
生前葬 本人が生きているうちに行う葬儀。宗教的なお葬式を行うケース、お別れの会を催すケースなどさまざま自由なスタイルで行われる

お葬式が遺された方にもたらすたくさんの効能

お葬式は亡くなった方の人生を締めくくるセレモニーであり、遺された方々が故人に別れを告げ、思いを捧げる大切な機会です。宗教によっても多様な意味を持ちます。

仏教では、葬儀は亡くなった方の冥福を祈り、極楽浄土へと送る儀式です。神道においては、故人の御霊を家の守護神とするための儀式となります。キリスト教ではすべての罪を赦され永遠の安息を祝う召天の儀式です。

どのような宗教、あるいは価値観のもとでも、故人の幸せを祈り、別れを偲ぶ点は同じです。中には「そのようなことは葬儀をしなくてもできる」「心の中で弔うことができる」「葬儀は不要だ」と考える方があるかもしれません。しかし、お葬式を執り行うことには思いがけない効能があります。

お葬式は遺族の哀しみを癒し、支えをもたらす機会にもなる

大切な人との別れは、人生最大の試練のひとつです。苦しみを乗り越えるには、まずその事実を正面から受け止めることが必要です。わたしたちは愛する人の死に直面すると、大きなショックを受け、その事実を認めたくないという心理が働きます。これは一般的なことなのですが、そのままではなかなか前に進むことはできません。深い悲しみから癒されるための第一歩は、別れの事実を受け入れること。そしてお葬式はそのため大いに役立ちます。

もうひとつの効能は、お葬式を行うとご遺族が「故人が喜ぶことをしてあげられた」という気持ちを持てることです。ほんのささやかな満足感に思えるかもしれませんが、これも心の癒しにつながる重要なファクターになります。大切な人を亡くすと、「あれもしてあげたかった」「これもしてあげたかった」という思いが生じますが、お葬式のときに故人の喜ぶことをかなえてあげるだけでも、そのような心残りに苦しむことが少なくなります。

また、お葬式で故人やご遺族とつながりを持つ人々と実際に会うことによって、ご遺族は「自分は孤独ではない」と実感することができます。実際に会葬者から思いやり深い言葉をかけてもらったり、その後も気にかけてもらったり、温かい支えを得る機会にもなります。

「家族が大変だろうから、自分の葬式はしなくてよい」と考えている方は、ご家族のためにお葬式を行うことを考えてみてはいかがでしょう。ここでご案内したように、お葬式にはたくさんのスタイルがありますので、ご自身の生き方、信条、センスに合ったお葬式がきっと見つかることでしょう。あらかじめ準備しておくことが、遺してゆくご家族の癒しにつながるかもしれません。