樹木葬とは?樹木葬の費用など

樹木葬

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を墓標にした埋葬法

「自然葬」と呼ばれる葬送法のうち、「散骨」と並び人気を集めているのが「樹木葬」です。樹木葬は霊園や墓地において、樹木を墓標にし、土中に遺骨を埋葬するものです。

言い換えれば、一般のお墓と異なるのは「墓石の代わりに樹木を用いる」点だけで、法的な扱いやお墓の仕組み、かかる費用の内訳などは同じです。そのため樹木葬が行えるのは、霊園や寺院、墓地として認められた山林などに限られます。

最近では霊園や寺院墓地の中に樹木葬のエリアを設けるケースや、新たに樹木葬用に開設される公営・民営の墓地も増加しています。

樹木葬の種類

樹木葬のスタイルは年々、多様化していますが、大きく分類すると墓地として許可を得ている山林を利用した「里山タイプ」と、「霊園・墓地タイプ」があります。

このうち多くの方々が利用している「霊園・墓地タイプ」は、さらに「個人墓」「合葬」「合祀」に分類されます。それぞれの違いを以下に簡単にご案内しておきましょう。なお「里山タイプ」の樹木葬では、基本的に「合葬」「合祀」のスタイルで埋葬が行われます。

1.個人墓タイプの樹木葬

個人墓タイプは、普通のお墓のように墓地の一区画を占有し、そこに墓石の代わりに低木を植えて墓標とし、遺骨を地中に埋蔵するものです。運営する霊園・墓地の規則にもよりますが、区画内であればご家族を何人でも埋葬でき、ペットを一緒に埋葬できるケースも増えています。また「家」のお墓ではありませんので、血縁や婚姻関係のない方とも一緒に眠ることができます。希望により、小さなプレート等を設置できるケースも多くみられます。

個人墓タイプの樹木葬は、墓地の区画を占有しますから、普通のお墓と同様に「永代使用料」がかかります。これは土地購入代金ではなく、土地の使用代金です。このほか「埋葬料」と毎年の「運営管理費」がかかります。

2.合葬タイプの樹木葬

合葬タイプでは、シンボルツリーとなる1本の大きな木を共同の墓碑として、その周囲に複数の方の遺骨を埋葬します。個人墓と比べて小さいスペースですが、個別に埋葬されるスタイルのため、ご家族をはじめ少人数の遺骨を一緒に埋葬することができます。規則によってペットも一緒に入ることができるケースもありますし、お名前などを刻んだ小さなプレートを設置できるケースもあります。

費用の内訳は「永代供養料」「埋葬料」「運営管理費」が基本となりますが、毎年の運営管理費を支払う必要がない場合も多くみられます。

3.合祀タイプの樹木葬

自分専用の区画は必要ないという方には、合祀タイプの樹木葬があります。1本のシンボルツリーや花壇などに、複数の方々の遺骨が埋葬されるもので、個人の区画というものはありません。一般的に、文字どおり土に還るよう、遺骨を細かく粉砕した上で土に分解される骨壺に入れるか、そのまま埋められます。

多くの場合、費用は契約時に「埋葬料」「永代管理料」を支払い、以降は支払いの必要はありません。

樹木葬のメリットとデメリット

樹木葬には人気を集める理由がいくつかあります。また反対に、気をつけるべき点も存在します。検討のご参考になるよう、ここではメリットとデメリットをまとめてご紹介します。メリットはさまざま挙げられます。

  • ◇「自然に還りたい」という思いをかなえられる
  • ◇自然環境に配慮した葬送法である
  • ◇永代供養ができる(=継承者が必要ない)
  • ◇墓石を建てるお墓と比べ、費用を抑えられる
  • ◇「家」のお墓でなく「自分」のお墓に入ることができる
  • ◇血縁関係や婚姻関係にない人と一緒に入ることができる

実際に樹木葬の契約をした方々の大多数に共通するのは、「土に還る」という部分に魅力を感じている点です。そのため、カロートと呼ばれる骨壺の収蔵庫を土中に設置せず、遺骨を直接、土中に埋葬するスタイルを希望される方が多くみられます。

また少子化、核家族化という社会的背景もあり、「子孫にお墓の管理や費用の負担をかけたくない」「子どもがなくて継承者がいない」などの理由で、永代供養ができる樹木葬を選ぶ方も増えています。

ほかにも価値観の変化により、「家」のお墓でなく「自分」のお墓に入りたいと望む方や、婚姻関係にないパートナーと一緒のお墓に入りたいと望む方が増えていますが、樹木葬はそういった希望に応える葬送としても求められています。

その一方、樹木葬にも留意すべきデメリットがあります。ひとつは、後になって「お墓を建てたい」「手元供養をしたいのでお骨がほしい」と望んでも、多くの場合、遺骨を戻すことができない点です。カロートの中に骨壺を収納するスタイルなら可能ですが、そうでない場合は、いったん埋葬したら取り返しがつきません。

もうひとつのデメリットとしては、ご家族、ご親族の理解が得られにくい場合がある点です。「先祖代々のお墓に入るべきだ」「お墓を維持してほしい」「菩提寺に申し訳ない」などの強い主張をされる方が出てトラブルに発展することもあります。あらかじめ丁寧に意思を伝え、理解してもらえるよう努めることが大切です。

樹木葬の費用

通常のお墓と比較すると、樹木葬では墓石を建てないため、その分の購入費用が軽減されます。個人墓タイプ、合葬タイプ、合祀タイプの別によって費用は異なりますが、すべてのタイプを含めると10~80万円の範囲内が相場となっています。

以下にタイプ別の料金サンプルをご紹介します。

個人墓タイプ 30~80万円 埋葬料・永代使用料(運営管理費は年3千~1万円)
合葬タイプ 10~30万円 埋葬料・永代供養料(運営管理費込み)
合祀タイプ 8~10万円 埋葬料・永代管理料

新しい埋葬であるため、金額や料金体系は霊園や寺院など運営団体によって異なります。費用に含まれている内容をはじめ、利用契約などを詳細に検討されることをお勧めします。