お墓参りのマナー。服装や作法、仕方など

お墓参りのマナー : 『人生の結び』と 『その先にある未来を結ぶ』一般社団法人終活・相続の窓口では、第一線で活躍する各種専門家の総動員により、多くのもしもに備え、人生の最期を安らかに迎え、家族の負担を減らし、トラブルを防ぐお手伝いを致します。

お墓参りのマナー。服装や作法、仕方など

■マナーは敬意と思いやりを形にするもの

お墓参りは、ご先祖様に感謝の心と弔意を捧げる大切な供養です。そこにはご先祖様に対するマナーがあり、また墓参のためにたくさんの方々が集う「場」に対するマナーがあります。マナーや作法を「堅苦しい形式」と考えるのではなく、思いやりの心と敬意を形にするものだと理解して、しっかり身につけておきましょう。

■お墓参りの仕方

お墓参りの作法は、難しいものではありません。ごく基本的な心得ばかりですので、お墓参りの手順にしたがって、とるべきふるまいをご案内していきましょう。

ご本尊・ご住職にご挨拶をする

お参りするのが寺院墓地であれば、まず本堂でご本尊をお参りし、可能であればご住職にご挨拶をします。

管理事務所などで掃除道具をお借りする

管理事務所などに行き、柄杓(ひしゃく)と手桶、バケツ、ほうきなどお墓の清掃に必要なものをお借りします。ただし、墓参者ができるだけ気軽にお墓参りに来られるよう、霊園・墓地では基本的な用具を用意してくれていますが、できれば掃除道具は一式、持参するのが望ましいでしょう。

  手桶に水をくみ、お墓に向かう

墓石を洗うための水をくみます。墓石専用の洗剤などを使用してお墓を洗う場合、手桶に一杯分では足りないので、水くみ場が遠いときは、バケツなどにも水をくんでお墓に向かいます。

お墓の前で一礼して、清掃をする

掃除はまず墓石の周囲の落ち葉、雑草の処理をおこない、次いで墓石を洗い、その後に墓誌・塔婆立てなどの付属物や、花立て・香炉などの小物をきれいにします。墓石は傷つけないようやわらかいスポンジやブラシで洗い、最後に水気を拭きとることが大切です。細かい部分は歯ブラシを使用します。

手を洗い清め、線香やお供え物をする

掃除が終わったら、いよいよお参りです。手をきれいな水で洗い清め、花・線香・お菓子や果物などのお供え物をします。花はハサミで長さやバランスをととのえ、水を入れた花立てに差して飾ります。お菓子や食べ物は、半紙を敷いた上にのせて供えます。線香は火をつけた後に手であおいで消し、香炉に立てるか線香皿に寝かせます。また地域によって、灯明のローソクを立てる場合もあります。

合掌する

墓石の正面に向かい、合掌します。心の中で冥福を祈り、また感謝の思いや伝えたいことを語りかけます。題目をとなえてもよいですし、無の心を捧げてもかまいません。合掌のときは手に数珠をかけて、胸の前の位置で手のひらをやわらかく合わせ、軽く目を閉じて頭を垂れます。

お供えの食べ物を引き取り、お参りを終える

全員の合掌が終わったら、お参りは終了です。後始末をして帰ります。花や線香はそのままでかまいませんが、お菓子や果物などは必ず持ち帰ります。

■お墓参りのマナーと注意点

◇お墓参りの服装は落ち着いたものにする

お墓参りをするのに、喪服でなければいけないというルールはありません。ただし、日常のお参りでしたら気軽な普段着でもよいのですが、お盆やお彼岸などはとくに、華美な服装や肌の露出が多い服装は避けます。これはご先祖様に対するマナーという意味もありますが、周囲の墓参者の方々への礼儀でもあります。きちんとした身支度を整えましょう。

◇お参りの順番は、縁の深い方から

お墓の掃除を終え、合掌のお参りをするとき、順番は故人との縁の深い方から始めます。ご家族だけでなく、職場の方や友人知人が一緒にお墓参りをするときなど、社会的な立場の高い方を先にしがちですが、お参りは故人のためのものです。縁の深い方を優先します。

◇線香やローソクの火を、息で吹き消さない

線香やローソクの火は、手であおいで消します。人の口は悪業を積みやすいため、仏様に捧げる火を人間の息で穢してはいけないという教えです。こうしたマナー違反は、周囲の方を不快な思いにさせることがあるので気をつけましょう。

◇墓石にお酒をかけない

お酒が好きだった故人やご先祖様のために、お墓参りのときにお酒を持参し、墓石にかける方がいます。仏様を思う気持ちからの行為ですが、化学反応で墓石が傷み、劣化を早めてしまいますので避けるべきです。

◇お供え物は持ち帰る

お供え物は、帰るときにかならず回収します。放置されたお供え物は鳥や害獣を呼び寄せます。食べ散らかしてお墓が汚れますし、衛生的にもよくありません。またビールなどを缶のままお供えする方がありますが、缶のサビが墓石に付着し、劣化を進めてしまいますのでやはり控えましょう。